教室紹介

Asahi Hishida

教授よりご挨拶

 この度、令和5年10月をもちまして愛知医科大学公衆衛生学の教授に着任しました菱田と申します。
 わが国は今まさに超高齢社会の時代を迎え、地域の高齢者医療・福祉を中心に公衆衛生学の占める役割が大きくなる中で、これまでの内科医としての臨床経験、国内外とのゲノム疫学(日本多施設共同コーホート研究 伊賀地区 https://jmicc.com)を中心とした共同研究経験、名古屋大学や米国留学での卒前卒後の医学教育の経験を活かして、従来のゲノム疫学研究のみならず、地域におけるプライマリケアを中心とした公衆衛生に役立つ研究と人材の育成に努めたく考えております。
 関係の皆様方にはお世話になりますが、ご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。



沿革

公衆衛生学講座は愛知医科大学開学の3年後にあたる1975年(昭和50年)に開講しました。初代の岡田博教授(1975-1982)より、加藤孝之教授(1978-1992)、佐々木隆一郎 教授(1992-1995)、伊藤隆教授(1996-1999)、菊地正悟教授(1999-2023)そして、2023年(令和5年)10月に6代目の菱田朝陽教授が着任し現在に至っています。

歴代の教授をはじめこれまでの教室員のべ40名からなる同門会があり、毎年春には総会を開催して親睦を深めています。

(歴代教授)

岡田 博(おかだ ひろし)
昭和50年4月1日~昭和57年3月31日
専門:急性感染症,結核,非定型抗酸菌症の疫学,循環器疾患の疫学
昭和40年 中日文化賞
昭和53年 保健文化賞

加藤 孝之(かとう たかし)
昭和54年4月1日~平成4年3月31日
専門:イタイイタイ病の疫学,循環器疾患の疫学

佐々木 隆一郎(ささき りゅういちろう)
平成4年4月1日~平成7年12月31日
専門:生活習慣病の疫学

伊藤 隆(いとう たかし)
平成8年10月1日~平成11年3月31日
専門:国際保健

菊地 正悟(きくち しょうご)
平成11年12月16日~令和5年3月31日
専門:生活習慣病の疫学

スタッフ


/教 員 

公衆衛生学2024

氏名 Name 職名 専門
菱田 朝陽 Asahi Hishida 教授 分子疫学,予防医学
林  櫻松 Yingsong Lin 教授(特任) がん疫学,分子疫学
川合 紗世 Sayo Kawai 講師 疫学,予防医学
篠壁 多恵 Tae Sasakabe 講師 栄養疫学
景山  斎 Itsuki Kageyama 助教 予防医学


/助手・研究補助員 

氏名 Name 職名
高羽 久美子 Kumiko Takaba 助手
花井 圭子 Keiko Hanai 研究補助員


/大学院生 

  • 中村 竜児


/研究員 

  • 江端 望
  • 小幡 由紀
  • 菊池 徳昌
  • 澤田 孝之
  • 鈴木 俊昭
  • 野澤 一貴
  • 丸山 健太


/客員研究員 

氏名 Name 所属
奥田 真珠美 Masumi Okuda 兵庫医科大学 教授


/客員教授 

氏名 Name 所属
植田 美津恵 Mitsue Ueda 東京通信大学 教授
澁谷 いづみ Izumi Shibuya 愛知県一宮保健所長


研究テーマ


消化器癌の疫学
EPIDEMIOLOGIC STUDIES OF GASTROINTESTINAL CANCERS

消化器癌のうち、特に胃癌と膵臓癌に焦点をあてて研究を行っています。大規模コホート研究(JACC Study)のデータを用いて、胃癌や膵臓癌のリスクファクターの同定を目指しています。胃癌の主要な原因はピロリ菌であることが明らかになっていることから、胃癌撲滅のためにはピロリ菌感染を早く正確に見つける検査法の確立が必要です。そこで、胃癌患者と健常対照者から得た血清サンプルを用いて、ピロリ菌感染の各種検査法の妥当性を調べています。

膵臓癌については、膵臓癌患者と病院対照または健常対照者からなる多施設症例対照研究を行っています。

進行中の研究プロジェクト:

  1. 10万人規模の大規模コホート研究(JACC study)のデータによる癌・循環器疾患のリスク要因に関する研究(特に胃癌・膵臓癌)
  2. 成人の胃癌患者800人と対照1000人の保存血清を用いた新たなマーカーによる胃ガンの診断・発生予防に関する研究
  3. 児童のピロリ菌感染の有無に関する横断研究(このサンプルの一部については予後についても調べる予定)
  4. ピロリ菌の感染経路に関する学際的研究
  5. 膵癌患者 1200 人、胆道癌患者 500 人、対照 800 人を対象とした、 膵臓癌、胆道癌の発生要因に関する多施設症例対照研究

ゲノム疫学
Genomic Epidemiology

近年、ゲノム情報の読み取りに要するコストは劇減し、現在一人あたりのゲノム(約30億塩基対)の読み取りは10万円を切りました。そこで、疫学でも病気の原因の一つとしてゲノム情報を調べるタイプの研究が広く行われるようになりました。具体的には、ゲノム全体の単一塩基多型(SNP)やコピー数多型(CNV)と病気の関連を調べる「ゲノムワイド関連研究」(GWAS, Genome-wide association Study)や、全エクソン領域のシークエンスと病気の関連を調べる「エクソーム研究」(Exome study)が行われます。さらに、こうして見つかった病気と関連する遺伝子と生活習慣などの環境要因との相互作用を調べ、病気の予防に生かす取り組みも行われています。

当教室では、発生要因がほとんど不明である膵がんついて、 国内外の施設と共同でGWASを行っています。

進行中の研究プロジェクト:

  1. 膵がんゲノムワイド関連研究
     日本膵がん研究コンソーシアム(JaPAN)
  2. 名古屋大学大学院医学系研究科予防医学が中心となり実施されている日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)への協力

システマティックレビュー・メタアナリシス
Systematic Review/Meta-analysis

治療法や予防法について最も妥当性の高い研究は、ランダム化比較試験(RCT, Randomized Controlled Trial)についてのメタアナリシスです。現在までに行われたRCTは100万件にのぼると言われており、その結果を統合するメタアナリシスが必要となっています。このような研究を組織的に全世界規模で行っているのがコクラン共同研究 Cochrane collaborationであり、その成果はコクラン・ライブラリーとしてウェブ上に公開されています。

当教室では、主に消化器系疾患や危険因子などに関するシステマティックレビュー・メタアナリシスを行っています。

テーマ(論文化済み):

  1. 日本人における出生年別ピロリ菌感染率に関するシステマティックレビュー・メタ回帰分析
  2. 肝臓線維化の測定法に関するメタアナリシス(愛知医大消化器内科との共同研究)

業績

連絡先

所在地

〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
Tel: 0561-62-3311(代)
Fax: 0561-62-5270(公衆衛生)

当教室へのアクセス法については、「愛知医科大学 -交通のご案内-」をご覧ください。研究室は研究棟の3階にあります。

  • 名鉄バスを使えば、地下鉄(東山線)の終着駅である藤が丘駅から約15分で大学に着きます。その際は、終点のひとつ手前のバス停「研究棟前」でお降りください。料金は片道250円です。
  • お車でお越しの方は外来駐車場にお停めください。午前中(13:00まで)は30分間、午後は1時間無料で停めることができます。それ以上お停めになる際は、当教室にご相談ください。

同門会

【事務局】
〒480-1195
愛知県長久手市岩作雁又1-1
愛知医科大学医学部公衆衛生学内
愛知医科大学公衆衛生学教室同門会事務局
TEL:0561-62-3311
FAX:0561-62-5270
E-mail:p2410@aichi-med-u.ac.jp
※事務局よりお知らせ
  • ご自宅・勤務先に変更がございましたら、事務局までお知らせ下さいますようお願いいたします。
  • 同門会の総会および懇親会は、毎年3月に開かれます。
  • 同門会会則は以下のリンクよりダウンロードできます。
     →「愛知医科大学医学部公衆衛生学教室 同門会会則」